身体からの情報入口を、まず取り戻す。
「今、あなたの体重は、足裏のどこに乗っていますか?」
こう質問すると、多くの方が「えっ…」と固まります。50代、60代の患者さんで即答できる方は、ほとんどいません。
これは意識が鈍いのではなく、身体からの情報が脳に届いていないということ。実は、歩行の悩みの多くは、ここから始まっています。
足裏は、身体が地面と触れる唯一の接地面です。ここから「今、体重はどこに乗っているか」「床はどんな状態か」という情報が、1秒間に何百回も脳に送られています。
ところが加齢や生活習慣で、この情報の解像度がだんだん落ちていきます。解像度が落ちると、脳はバランスを取るために、無意識に筋肉を固めて補おうとします。これが、立っているだけで疲れる・歩くとすぐ重くなるの正体です。
つまり、筋力が足りないのではなく、筋肉を使う前提の「情報」が足りていないのです。
「歳のせい、筋力が落ちたから筋トレを」
足裏の感覚情報が届かず、身体が筋肉で固めて補っている
そのまま、目を閉じて10秒立ってみてください。どれだけ揺れましたか?目を開けていたときと比べて、明らかにふらつく方は、視覚に頼って立っているサイン。足裏の感覚が鈍っている証拠です。
多くの方が、こう感じます
60代の女性。膝の痛みで3年間、病院で筋トレを処方され続けた方です。初回、足裏の三点を見てもらうと、右足はほぼ小指側にしか乗っていませんでした。「私、こんなに偏ってたの…」と驚いた瞬間、彼女の施術は始まりました。筋力の前に、情報の再接続だったのです。
立ち方が整ったら、次は「座り方」。
意外に思うかもしれませんが、歩行の崩れは椅子の上で起きていることが多いのです。